離婚後、結婚期間中からの浮気相手だった広岡が事故で亡くなり、私はなかなか立ち直ることができませんでした。
そんなとき古い友人の彼氏からの紹介で、私はのちの再婚相手となる誠也さんと出会うことができたのです。
私のような自分勝手で世間知らずな女でも、今は平穏な生活を送るほどに人生を立て直すことが可能でした。
どんなに失敗したとしても、どんなに転落したとしても、この記事を読んでいるあなただって絶対にやり直せます！
この連載の執筆担当は私、町田みゆきです。
２２歳で結婚した私が、結婚生活期間に実際にしてしまった浮気、そして離婚と再婚の体験談を連載記事にしています。
※前回の記事はこちら
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いよいよ再婚できてから現在に至るまでのお話をしていきます。
よって、今回が最終回になります。
どうぞ最後までお付き合いくださいね。
１：夫婦関係を修復できなかったのは何故か？
前の夫と誠也さんを比べてしまい、私には気づいたことがあります。
誠也さんはマサヒロとは価値観が全く違う人なのです。
まず誠也さんは、まったく見栄を張る人ではありませんでした。
彼は私より５つ年上で、きちんとした会社に勤めていました。
それでもデート代は全て割り勘というくらいでした。
彼が乗る車もコスパが優先で、自分がこだわっているものを乗っていました。
見栄っ張りなマサヒロの場合は、結婚前には私にお金を出させた事ありませんでしたし、いつもオーダーメイドのスーツを着ていました。
誠也さんとは会える時は会って過ごすし、そうでなければお互い自由に過ごすというように、無理をせずに付き合う事が出来ました。
前の男性と比べていても仕方ないし、失礼だと思うのですが、どうしてもマサヒロと誠也さんを比べてしまっていました。
そして比べる事によって、マサヒロとの結婚生活がすごく無理をして背伸びしていたんだという事に気付かされました。
新築の家も大きい車も贅沢な生活も、まだまだ若い夫婦なのに、私たちは不相応に高望みしていたのです。
もっとゆっくり長く付き合っていけば、あんなに過ちは起こらなかったのだろうか。
マサヒロは私と出会わなければ、きっといい旦那でいいお父さんになれたのではないだろうか。
そんなことを私は思ってしまいました。
２：離婚も再婚も運命？
今の夫誠也さんと結婚して、２人の子供に恵まれて、私は今の生活に至る訳です。
結果論ですが、私としてはマサヒロとの夫婦関係は壊れて良かったと言えるのでしょう。
この連載シリーズの１章で述べたような、小さなきっかけや出来事が私とマサヒロの人生を予測していたのか、もしくは暗示していたのかもしれません。
私は今では、不吉な出来事があったり、出鼻をくじかれるようなことがあったりしたら、その時は出掛けない、時期じゃない、と行動をやめておく事にしています。
誠也さんとつきあって２年後に私は再婚しました。
私は３０歳、誠也さんは３５歳でした。
私のわがままで結婚式はやりませんでした。
私はすでに一度やっていますし、もう一度ぬけぬけと親兄弟を呼び寄せる事は出来ませんでした。
誠也さんと、誠也さんの両親も納得してくれましたが、今思えば誠也さんの両親には申し訳ないと思っています。
自分が親になってみて、子を想う親の気持ちを考えられるようになりました。
前夫であるマサヒロの両親には本当に悲しい思いをさせてしまいました。
しかし、マサヒロ親子の場合は、仲良し家族なのはいいけれど、親離れも子離れもできていなかったんだなあという事にも気付き、深く腑に落ちました。
３：過去を悔やむよりやり直す勇気を
さあ２度目の結婚生活は？今度は上手くいっているのでしょうか？
誠也さんは、家計の管理やパソコンなどでできる家のことを引き受けてくれました。
私は生活費をもらい、その中でやりくりするだけです。
私が体調を崩したら、会社も休んでくれたし、病院にも連れって行ってくれました。
土日は仕事がお休みでしたし、夕食も一緒に取り、一緒の時間に寝室で眠る事が出来ました。
背伸びすることもなく、見栄もはらずに暖かくのんびりとした、２度目の結婚生活です。
子供が生まれて、バタバタした時もありましたが、私と誠也さんの２人の関係は今もほぼ変わっていません。
彼はいつも、どんな時も私を支えてくれます。
お互いの絶対的な信頼は、年月とともにますます厚くなっていくようです。
前夫のマサヒロは、私と離婚する時「俺は２度と結婚はしない」と言っていた事を思い出します。
私が再婚してすぐ、何かの手続きでマサヒロからメールがきました。
その時私は、「再婚しました」とメールをしました。
マサヒロから返事はありませんでした。
その後、私は携帯の故障で電話番号もメールアドレスも変更してしまいました。
ですので、マサヒロから私にメールが来る事はありません。
故障した私の携帯とともに、マサヒロのアドレス、亡くなったノリのアドレスも消えてしまいました。
最近、ＳＮＳで思い切ってマサヒロのことを検索してみました。
しかし名前を見つけただけで投稿も写真も、何もありませんでした。
もし子供がいたら、子供の写真をアップしたりすると思うので、何もないということはもしかしたら本当に結婚していないのかもしれないです。
今は、結婚生活が破綻したのは私のせいなのかもしれないと、申し訳ない気持ちがほんの少しあります。
しかし、過ぎてしまったことを悔やんで生きていくより、やり直す勇気も大切なのではとも思います。
４：離婚を考える前に自身を見つめるべし
私は前夫のマサヒロと出会ってから、６年間の月日で色々な人と出会い、色々な人と別れました。
幸せな時もありましたし、辛い日々もありました。
若かった私は、はっきり言って反省すべき点の方が多いです。
あの６年間が私の無駄な時間にならないように、残りの人生を大切に送っていきたいと思っています。
私は「離婚」という別れを選択する事には、正解も間違いもないと思います。
たいがいの人が幸せになれると思って結婚しますよね。
しかし、私のように間違った糸を引いてしまう人もたくさんいます。
とても小さなヒビがどんどん大きくなり、そして、いずれ割れてしまう。
小さなうちに直しておけば、割れずに済む人もいるし、もっと丈夫になる場合もあります。
私たちの場合は、いがみ合い傷付け合い、そしてお互い向き合うことなく別れました。
それは後悔として今も私の気持ちの中に残っています。
もっと、落ち着いた状態で話し合いをし、互いに納得した上で結論を出すべきでした。
そして義父母にも私からきちんと謝るべきでした。
その思いは何年経っても、消えません。
私のどこかにずっとそのトゲは刺さっています。
きっと、そのトゲはずっと取れません。
そして力ずくでそれを抜いてもいけないんです。
忘れてしまってはいけない、マサヒロも忘れないと思いますから。
時々痛む、そのトゲの痛みは私への戒めです。
今、離婚を考えている方々に、お伝えしたい事は、頭に血が上った状態でスピード離婚せず、もう一度、一息置いてから答えを出して下さい。
周りが見えてくるかもしれません。
この文書を読んで、少しでも当てはまるところがあったなら、参考にして頂けたら幸いです。
離婚の決断を下し、別れることになっても、きちんと向き合って「さよなら」を言って別れて下さい。
その後に訪れる幸せの中に、痛み続けるトゲが残らないようにするためにも。
私は結婚生活を修復できませんでした。
あれからもう、１８年の月日が流れました。
夏が終わりそして秋が来ると、何処からともなくキンモクセイの香りがします。
あの頃の私が、思い出とともに今の私に問いかけます。
「きちんと生きていますか？」と。
そして私は、別れた夫マサヒロの幸せを心から願うのです。
完結
記事担当・町田みゆき
おわりに
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